2016年3月26日に開通した北海道新幹線(新青森-新函館北斗間)は、当面、採算は取れないことが分かっていて開通したということらしいのですが、その後の状況はどうなのでしょう。

北海道新幹線、利用者倍増で意外な落とし穴 | 新幹線は街をどう変えるのか | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

こちらの記事によれば、JR北海道が9月末に発表した数字では、乗車率も当初予想の26%を上回る39%まで上昇し、半年間で143万5000人が利用し、在来線のおよそ1.8倍の水準を維持しているそうです。

一方で、競合するフェリーは旅客が増加し、航空機の客も大きくは減っていないそうで、人の動きに関してみれば、予想以上で及第点と言える状況らしい。
その原因としては、関東から北海道に来る乗客だけでなく、思ったより東北各地から北海道に来る乗客が多かったことにあるらしい。
北陸新幹線でも、北陸各地から、軽井沢や長野方面に来る乗客が予想以上に増え、活況を呈する現象がありましたが、それに似た状況が発生しているのかもしれません。

北海道新幹線の終点・新函館北斗駅(北斗市)は、何もないさびれた駅だったのが、観光のスタート地点として、レンタカー会社の営業所が一通り揃ったり、しゃれたレストランがオープンしたり、駅舎の北側では、北斗市と北海道庁が開設したイベントスペース「おもてなしステーション」ができたり、駅舎の南隣にも、複合商業施設の建設が進むなど、大きく変わりつつあるそうです。

新函館北斗駅のひとつ前の駅「木古内町駅」も、第三セクター「道南いさりび鉄道」で函館市内に行け、その方が、新函館北斗駅経由より安くつくことから、乗り継ぎ客や乗降客が増えているそうです。

最悪の予想よりはいい状況にあるのは、地元の観光誘致の努力もあるのでしょう。

とはいえ、北海道新幹線の収益が本来の意味で成り立つようにするには、札幌までの開業が必須であるのは言うまでもありません。

北海道新幹線の延伸開業前倒しを検討へ。でも札幌到達は早くて2030年。もっと早く造れないの? - 旅行総合研究所タビリス

これに関しては、北海道新幹線の札幌延伸は、前倒しして「2030年度末」とされていましたが、さらに早くしたいという希望はあるようですが、なかなか難しいようです。

北海道新幹線「2025年度倶知安先行開業」に意味はあるか。「東京からニセコ」は便利になるけれど - 旅行総合研究所タビリス

さらに5年前倒しして、倶知安までを先行開業しようという動きもあるみたい。
これでニセコへの観光客誘致には有利になるし、一部の競技がニセコに誘致予定の冬季オリンピックにも間に合うという算段なのかもしれません。本当にやる意味があれば、やればいいと思いますが・・・