東京オリンピックは中止にせざるを得ないでしょうよ

高まる東京オリンピック中止論　政府関係者「無観客ならできると言うべきだ」 - 毎日新聞

「東京オリンピック」高まる中止論…賛否の意見が分かれるも、インターネット上では「コロナ対策にあてるべき」の声多数（TOKYO FM＋） - Yahoo!ニュース

東京オリンピック「中止プランを準備しているだろう」 元ロンドン大会組織委幹部が発言 | ハフポスト

ここにきて、東京オリンピックは中止になるだろうとか、東京オリンピックを中止するプランを検討しているだとか、色々な報道がマスメディアをにぎわし始めた。

私個人は、第三波がおさまらない時点で、東京オリンピックの開催は無理だろうなと思う。

無観客でもやるべきだ、みたいな意見もあるが、よく考えれば、無観客でも実現できるはずがないのだ。

それは、たとえ無観客だったとしても、東京オリンピックを行うために、どういう条件が整う必要があるかを考えれば、容易に分かる。

(1) 日本国内の感染状況が落ち着いていること
(2) 日本の医療体制が、オリンピックで来日する外国人に対応できる目途が立っていること
(3) 海外の各オリンピック参加国での感染状況が落ち着いていること
(4) 各国の選手団が来日した際、公平な条件で競技の準備が行えること

大雑把に考えても、このぐらいの条件は最低限満たさないと実現は不可能であり、たとえ日本が頑張って国内の感染状況が落ち着いて、すべての競技を無観客で行うと決めたとしても、(2)(3)(4)の条件は、今の全世界での感染状況を見れば、全く満たせないことは明らかだ。

特に、(2)については、オリンピックが開催される7月から8月は、南半球では冬であり、しかも、南米やアフリカについては、ワクチンが行き渡る目処が全く立っていないため、再び流行が盛り返している可能性が高い。

参加選手に感染者が出た場合の競技における対処方法を、未だにIOCが明確にしていないのも困ったことだ。

たとえば、レスリングに参加した選手が新型コロナウィルスに感染していた場合、本人だけでなく、確実に濃厚接触者になると思われる（2日前までの）対戦相手も、それ以降の競技参加は不可能になるのだろうか。

大混乱になるはずで、それでも競技をやるべきなのだろうか。

今の世界の感染状況を考えれば、どう考えても今年7月にオリンピックが開催できるとは思わないのだ。

契約上、オリンピックの中止はIOC側にしか決める権利はないそうだが、もし中止になったら、中止による負債をどこが負担するのかは、大変タフな交渉になりそうだ。

日本の政治家は、「こんな条件を飲まされるのでは、今後オリンピック開催地に立候補する都市はなくなるよ」といった逆の脅し文句で、負債をできるだけ減らせる努力をして欲しい。

実際、この状況が続けば、次の北京冬季オリンピックが無事開催できるか疑問符が付くし、その次のパリのオリンピックまで引きずることがあれば、リスクを恐れて、それ以降のオリンピックに立候補する都市はなくなるのではないだろうか。

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